持っている空き家をどうしたらいいのかわからないと悩んでいる方は多いです。空き家を売却するための手順や費用を把握していないと、失敗する可能性が高いです。この記事では、空き家の効果的な売却方法や手順、ポイントを紹介します。
記事を読めば、空き家をスムーズに売却でき、経済的負担を減らす方法がわかります。空き家の売却は、維持費の削減や資産価値の減少を防止できる点がメリットです。
適切な方法を学び、納得できる空き家の売却を実現しましょう。
空き家を売却するメリット
空き家の売却には以下のメリットがあります。
- 維持費を削減できる
- 資産価値の減少を防げる
- 近隣住民に迷惑をかけずに済む
空き家の売却は資産価値を守り、経済的な負担を減らすための有効な手段です。
維持費を削減できる
空き家の維持費は所有者にとって大きな負担です。空き家を売却すると、以下の効果が得られます。
- 固定資産税や都市計画税の支払いがなくなる
- 保険料の支払いを停止できる
- メンテナンスや修繕の費用が削減できる
- セキュリティサービス費用が不要になる
- 機会損失を回避できる
余計なコストを抑え、資産を有意義に活用するためにも、早めの対策を検討しましょう。
資産価値の減少を防げる
空き家を適切なタイミングで売却すると、資産価値の減少を防げます。空き家を放置すると建物が劣化し、資産価値が低下します。資産価値を維持するために、定期的なメンテナンスやリフォームを施しても費用がかかるだけです。空き家は、不動産市場での競争力が高く、良い条件の内に売却しましょう。
市場の動向を頻繁にチェックし、価値が下がり始める前に売却すると、資産価値が良い状態で売却できます。
近隣住民に迷惑をかけずに済む
空き家が放置された状態だと、雑草が生えて外観の劣化が進行し、景観を損ないます。管理ができていない空き家は、犯罪の温床になるリスクも高いです。空き家が害虫の発生源となるリスクもあります。衛生的な環境を維持し、近隣住民の生活の質を下げないためにも、適切な管理が必要です。
空き家を放置して近隣住民とのトラブルにつながらないように、早期の売却を検討しましょう。近隣住民の資産価値の保護にもつながります。
空き家を売却する方法
空き家を売却するには、いくつかの方法があります。売却の目的や予算、時間の制約など、自分に合った選択をしてください。
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空き家をそのまま売る
空き家をそのまま売る方法は、多くの所有者にとって有効な選択肢です。修繕やリフォームにかかる費用を節約し、物件をそのまま市場に出します。空き家をそのまま売りに出すことで、売却の手間や時間の削減が可能です。リノベーションを前提に物件を探している購入者が、空き家に興味を持つケースもあります。
すぐに売却を進めたい場合や、追加で投資を避けたいと考える売主にとって、そのまま売る方法は魅力的です。
更地にして売る
更地にして売る選択肢は、建物が古かったり修繕が必要だったりする場合に有効です。建物を取り壊すと、新しく建築を考えている購入者には魅力的に映ります。更地だと、購入者が新しい建物について自由に考えられます。
更地にするための解体作業にはコストがかかりますが、解体費用を上回る価格で売ることも可能です。建物がないために売却プロセスが簡素化され、取引がスムーズに進みます。土地の潜在的な用途や価値も強調できるため、空き家売却の有効な戦略です。
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リフォームして売る
リフォームすると、空き家の価値が高まり購入者の関心を引きやすくなります。「即入居可能」となるため、ファミリー層からの需要が高まりやすいです。物件の価値が上がると、市場での競争力も高まるため、売却価格も上がります。
リフォームする際は、事前に範囲と予算の計画を立てましょう。過度な投資は避け、リフォームの質とコストのバランスを考慮しながら、市場価格に合った改修を行ってください。リフォームによって、物件の魅力を最大限に引き出し、効率的に売却を進めましょう。
買取業者に売る
空き家をすぐに売却したい場合、買取業者に売る方法がおすすめです。迅速な取引が期待でき、市場に出して一般の購入者を探すよりも早く売却できます。仲介手数料が不要なケースが多いため、売却にかかる費用を抑えられます。買取業者に売る場合、一般的に市場価格よりも低い価格での取引となるケースが多いです。
物件の状態を気にせずに売却できるため、修繕にかかる費用や時間を節約できます。買取業者を利用すれば、出費を抑えつつ、速やかに空き家を手放せます。
空き家売却の一般的な手順
空き家を売却する手順は、以下のとおりです。
- 査定を受ける
- 媒介契約を締結する
- 購入者を探す
- 売買契約を締結する
- 物件を引き渡す
適切に行動することで、売却プロセスがスムーズに進みます。
査定を受ける
不動産査定は、不動産会社に依頼するのが一般的です。査定方法はオンライン査定と訪問査定の2つがあります。それぞれの方法を利用すると、市場価格をより正確に把握できます。オンライン査定では、迅速に大まかな価格の把握が可能です。訪問査定では、不動産の細部を詳しくチェックすることで詳細な査定結果が得られます。
複数の業者から査定を受けると、異なる視点からの価格提案を比較検討できます。適切な査定結果を選択し、販売価格を決定しましょう。
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媒介契約を締結する
媒介契約を締結するときは、契約の種類が重要です。媒介契約には以下の3種類があります。
- 全専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
媒介契約の種類によって、不動産会社との関わり方や売却の進め方が変わります。自分の状況や希望に合わせて適切な契約を選びましょう。契約を結ぶときは、不動産の情報や契約期間、仲介手数料などが明記されているか確認してください。媒介契約を結ぶと、法的な保護や専門的なサポートを受けられます。
≫媒介契約とは?各契約のメリット・デメリットと最適な選び方を詳しく解説
購入者を探す
購入者を効率的に探すための方法は、以下のとおりです。
- 不動産仲介業者の活用
- オンライン不動産プラットフォームの利用
- 地元のイベントや口コミの活用
- 新聞や雑誌、オンラインの広告
- オープンハウスの開催
さまざまな方法を組み合わせると、より多くの購入者候補を引きつけられ、希望の売却につながる可能性が高まります。
売買契約を締結する
売買契約を締結する際には、合意した内容を正しく文書化することが重要です。契約には物件の価格や支払い条件、引渡し日時、引渡し条件など、取引に必要な情報すべてを含みます。両者の署名や押印によって法的な拘束力を持ち、契約締結前には購入者が物件の最終確認を行うのが一般的です。
不動産取引においては、仲介業者を通じて手付金が支払われるケースもあります。売買契約は、取引の正確性と安全性を保証するための重要なステップです。すべての情報が正確に記載され、適切に管理される必要があります。
物件を引き渡す
売買契約が成立した後は、引渡日を事前に決めましょう。両当事者が日程を合わせて準備を進めます。引き渡し前の最終確認は、トラブル防止のためにも重要です。物件の状態や設備が契約時に合意した条件にあっているかを確認し、必要な書類を準備します。
保証書や取扱説明書、設備のリストなど、購入者が物件を使用するうえで必要な情報を整理し、渡してください。後々の誤解や不満が生じないために、引渡日には購入者と物件の各設備の動作確認を行いましょう。問題が発見されたら、解決策を話し合い、両者が納得のいく形で引き渡しを完了させることが大切です。
空き家売却に必要な費用
空き家を売却する際には、さまざまな費用が発生します。費用について正しく理解し、売却プロセスをスムーズに進めましょう。
売却時にかかる税金
空き家の売却時には、売却価格から取得費や販売にかかった経費を差し引いた金額が譲渡所得として計算されます。譲渡所得に対して所得税と住民税が課税され、保有期間に応じて税率が変わる点に注意が必要です。5年を超える長期保有の場合は税率が軽減されます。短期保有の場合は、所得税の税率が高いです。
特定の条件下では、3,000万円の特別控除が適用されます。土地や建物を売却する際には、登録免許税も必要です。売却時にかかる税金の計算や特例の適用条件を把握すると、予期せぬコストにも対応しやすくなります。
≫【不動産の売却時にかかる税金は?】種類や計算方法をわかりやすく解説
仲介手数料
仲介手数料は、空き家を売却する際に不動産会社に支払う費用です。売却価格の3%に6万円と消費税を加えた金額が一般的です。売却が成功した場合のみ発生し、物件が売れなければ支払う必要はありません。法律で定められているため、上限を超える料金を請求される心配はありません。
仲介手数料以外にも、広告費や契約書作成費用などが必要な場合があります。売却にかかるすべてのコストを把握しましょう。
≫【不動産売却の仲介手数料とは】計算方法と手数料を抑えるポイントを解説
その他の費用
空き家を売却する際には、以下の追加費用が発生するケースがあります。
- 印紙税
- 登記費用
- 測量費用
- 清掃費用
- 解体費用(更地にする場合)
売却する物件の状態や手続きによって、発生する費用が変わる点を理解してください。事前に計画を立てれば、スムーズな売却を実現できます。その他の費用は、売却価格や売却プロセスに大きく影響を与えるため、適切な管理が重要です。
» 土地測量の費用の相場は?測量が必要なタイミングを解説
空き家売却で失敗しないポイント
空き家を売却する際に重要な以下のポイントについて解説します。
- 適正価格を把握する
- 物件の価値を高める
- 売却のタイミングを見極める
- 税金の特例を活用する
適正価格を把握する
空き家を売却する際は、適正価格を把握することが重要です。適正価格とは、物件が市場で公正に評価されるべき価格を指します。適正価格を設定すると、購入者が見つかりやすくなり、スムーズな売却が期待できます。適正価格を設定するためには、まず市場分析を行いましょう。
同じ地域の類似物件の売却価格を調べ、物件の特性を考慮しながら不動産の価格を検討します。専門家や不動産業者と相談し、現実的で適切な価格を設定してください。地域の不動産市場のトレンドを把握し、価格変動を予測することも重要です。過大または過小評価を避け、市場に適した価格設定につなげましょう。
物件の価値を高める
物件の価値を高めるためには、以下の方法が効果的です。
- リフォームや修繕
- 庭の手入れや外構
- 機能や設備の追加
- 不要な家具や物の撤去
物件の状態を改善したり、外観を美しくしたりして購入者にとって魅力的にしましょう。法的な制約がなければ、用途変更を行って商用物件としての可能性を探るのも方法の一つです。改善策を施せば、物件の市場価値を高められ、より高い価格での売却が期待できます。
売却のタイミングを見極める
売却のタイミングを見極めることは、空き家の売却において重要です。適切なタイミングで売却すると、高い利益を得られます。市場の需要が高まる時期や地域の経済状況、季節変動など、さまざまな要因を考慮して売り出す時期を決定してください。不動産市場は春や秋に活発になるため、時期を見計らうことが大切です。
金利の安定している時期や大規模な開発計画が予定されているエリアでは、物件の価値が上昇する可能性があります。競合する物件の少ないタイミングで売り出すのも、有利に働きやすいです。売り時のポイントを押さえれば、売却の成功確率を高められます。
税金の特例を活用する
税金の特例を活用すると、売却益に対して税金が軽減される可能性があります。特定の空き家の売却においては、3,000万円までの控除の利用が可能です。税理士に相談し、自分の空き家が特例を適用できるか確認しましょう。特例の適用を受けるには、事前に条件を確認し、適合するかを慎重に検討してください。
特例を活用すると最終的な手取り額が増え、経済的メリットを最大限に引き出せます。適切な対策を講じて、空き家売却を成功させましょう。
まとめ
空き家の売却を検討する際には、メリットや方法、手順、必要な費用について十分に理解することが重要です。空き家を売却すると、維持費の削減や資産価値の維持、近隣住民へのトラブル防止につながります。売却方法は状況に応じて適切なものを選びましょう。
売却手順をしっかりと把握し、必要な費用についても事前に理解しておくと、スムーズな取引につながります。適正価格の把握や物件価値の向上、売り時の判断、税金特例の活用など失敗しないためのポイントを押さえましょう。