不動産買取の基礎知識からメリット・デメリットまで徹底解説!仲介との違いは?

不動産買取の基礎知識からメリット・デメリットまで徹底解説!仲介との違いは?

不動産の売却は誰もが経験することではありません。不動産の売却にはどのような方法があり、どう選択したらいいのか、多くの方が悩まれるでしょう。

不動産売却は仲介による方法が一般的ですが、不動産買取の選択肢もあります。この記事では、不動産買取と仲介の違いなどの基礎知識から、メリット・デメリットまでわかりやすく解説します。

記事を読めば、不動産買取への理解が深まり、所有する不動産に合った売却方法を判断するのに役立ちます。

不動産買取の基本

不動産買取の基本

不動産買取とは、不動産会社が買主となり、所有者から物件を直接買取る売買方法です。短期間で現金化したい場合や、修繕のコストをかけずに売却したい場合は、不動産買取が適しています。

不動産買取の流れ

不動産買取における引き渡し完了までの一般的な流れは、以下のとおりです。迅速に売却するためにも、どのような手順で手続きが行われるか把握しましょう。

  1. 不動産買取会社に売却の意向を伝える
  2. 不動産の評価・査定を受ける
  3. 買取価格の提示・交渉を行う
  4. 買取契約を締結する
  5. 必要書類の収集と確認を行う
  6. 手付金がある場合は支払う
  7. 残金決済と物件の引き渡しを行う

買取と仲介の違い

不動産の売却方法には、主に仲介と買取の2つの選択肢があります。以下にそれぞれの特徴をまとめました。買取と仲介の違いを把握して、自身の状況やニーズに合った方法を選択しましょう。

買取の特徴は、以下のとおりです。

  • 不動産会社が所有者から物件を直接買い取る
  • 現状渡しで手間を省き、迅速に現金化できる
  • 市場価格より低い価格での取引が多い
  • 売却後のトラブルが少ない
  • 仲介手数料の負担がない
  • 契約不適合責任が免責される可能性が高い

仲介の特徴は、以下のとおりです。

  • 不動産会社が売主と買主の仲介役になり取引を進める
  • 市場価格での売却が期待できる
  • 売却までの時間が不確定である
  • 成功報酬として仲介手数料が発生する

» 不動産仲介の基礎知識|業務内容と選び方

不動産買取の種類

不動産買取の種類

不動産買取には、即時買取買取保証制度と2種類あります。不動産買取を検討する際は、2つの違いを把握しましょう。

即時買取

即時買取とは、不動産会社が所有者からすぐに物件を買い取る方法です。物件の状態や市場状況に左右されることなく、高確率で売却できます。査定額が最終売却価格となるため、値引き交渉が発生する心配もありません。

即時買取は、費用負担を抑えて、急いで現金化したい方に向いています。

不動産の所有者が不動産会社と直接交渉して取引が行われ、早ければ数日から数週間で売却手続きが完了します。急ぎの場合は、どれくらいの日数で買取可能か事前に確認しましょう。

買取保証制度

買取保証制度とは、仲介契約に買取保証をプラスする制度です。仲介で売り出し、一定期間経過しても売却できなかった場合に、不動産会社が買取を保証してくれます。保証期間や買取価格は、不動産会社と事前に取り決めます。ただし、買取保証制度で不動産会社が買取る際は、市場相場より低い価格になるのが一般的です。

買取保証制度は、市場価格で売るチャンスを確保しつつ、売却できないリスクを回避できるのが魅力です。売り主は資金計画やスケジュールを立てやすく、安心して売却を進められるでしょう。

買取保証制度で買取に至った場合は、不動産会社との直接取り引きとなるため、仲介手数料の負担がなくなるのもメリットです。買取保証制度は、時間はかかっても可能な限り高い価格で、確実に売却したい方に向いています。

買取保証制度を利用するには、不動産会社と専任媒介または専属専任媒介で、仲介契約を締結する必要があります。宅地建物取引業法により、専任媒介または専属専任媒介で仲介を依頼できる不動産会社は、1社のみと決められています。契約期間中、不動産会社の変更はできません。
» 専属専任媒介契約とは?特徴やメリットを解説

買取制度を利用できる不動産会社の中には、自社の利益優先で囲い込みをするケースなども見られるため、注意が必要です。不動産会社による囲い込みとは、売却依頼された物件を他社に契約させず、自社の利益が最大化するように操作する行為です。売り出しを積極的に行わず、買取に持ち込むケースもあります。

買取保証制度の利用を希望する場合は、特に慎重に不動産会社を選ぶことが重要です。

不動産買取のメリット

不動産買取のメリット

不動産会社による買取を依頼するのには、以下のメリットがあります。

  • 短期間で売却できる
  • 仲介手数料がかからない
  • 契約不適合責任が免除されやすい

短期間で売却できる

不動産買取を利用すれば、短期間で現金化できるのが大きなメリットです。緊急で資金が必要になったり、急いで転居することになったり、スピーディな売却が求められる場面は珍しくありません。

不動産買取では不動産会社が物件を直接買取るため、市場に出して買い手を探す時間や手間を省けます。売買契約から代金の支払いまでの期間が短く、スムーズに取引が完了します。

不動産買取では物件の状態や市場環境に関係なく、一定の期間内に高確率で売却が実現する点も大きなメリットです。効率的かつ確実に資産を現金化したい方に最適な選択肢といえます。

仲介手数料がかからない

仲介手数料がかからない

不動産買取では仲介の必要がないため、仲介手数料が発生しません。仲介手数料の費用負担は大きいので、大幅なコスト削減になるでしょう。

仲介手数料は売却価格に応じて上限が決められています。売却価格が400万円超の場合、不動産売買の仲介手数料は「売却価格×3%+6万円」の計算式で算出されます。売却価格がちょうど400万円の場合、仲介手数料は税込み198,000円です。

契約不適合責任が免除されやすい

不動産買取では多くの場合、売主の契約不適合責任が免責されます。物件の引き渡し後に判明した欠陥などについて、売主が責任を問われる可能性が低いです。専門知識をもつ不動産会社が、再販売やリフォームを視野に入れて買取するため、リスクも自ら負担します。

契約不適合責任とは、該当不動産の瑕疵などが原因で契約内容に適合しない場合に、買主が売主に負わせる責任です。民法第562条に基づき買主に与えられた権利です。

引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。

引用:e-GOV「民法」

契約不適合責任が免責されていれば売却後のクレームの心配がなく、精神的負担も軽減されます。売主にとって大きな安心材料となるでしょう。ただし、売主が故意に欠陥を隠したり虚偽の申告をした場合は、契約不適合責任の免責が無効となる可能性があります。

不動産買取のデメリット

不動産買取のデメリット

不動産買取には以下のデメリットがあります。

  • 市場価格より低価格になりやすい
  • 買取不可のケースも存在する

デメリットをしっかり把握して、最良の選択肢を選びましょう。

市場価格より低価格になりやすい

不動産買取では、市場価格より低価格になりやすいです。売却査定価格が低くなるのは、市場価格ではなく、不動産会社の内部基準で査定が行われるからです。査定には以下のリスクやコストが含まれます。売主が価格交渉を行う余地も少ないです。

  • 業者の利益
  • 買取のリスク
  • 再販売のリスク
  • 売却後のリフォーム
  • 販売活動のコスト

売却を急ぐ場合は、市場の動向を見極めながら、最適な売却タイミングを狙うチャンスもありません。売却物件の立地や状態によっては、通常よりさらに低い査定となる可能性があります。
» 不動産価格を調べる方法!

買取不可のケースも存在する

不動産買取では、買取を断られるケースがあります。以下に該当する市場性が著しく低い物件の買取は、不動産会社にとってもリスクになるからです。

  • 物件の状態が非常に悪い
  • 立地条件が悪い
  • 権利関係が複雑で清算が困難である
  • 法律により売買が制限されている
  • 土地の汚染など環境問題を抱えている
  • 大きな事故や事件があった
  • 地域の市場動向により需要が見込めない

不動産は個々に状況や環境が異なり、買取の条件も変わります。不安や問題がある場合でも、不動産会社に相談しましょう。

不動産買取が向いているケース

不動産買取が向いているケース

不動産買取では、迅速かつ高確率での売却が可能です。以下に該当する場合は、不動産買取の検討しましょう。

  • すぐに現金が必要な場合
  • 売却物件の状態が気になる場合

すぐに現金が必要な場合

急ぎで不動産を売却したいときは、不動産買取がおすすめです。売却プロセスを簡略化してスピーディに現金化できます。すぐに現金が必要な場合としては、以下のケースが挙げられます。

  • 相続で早急に物件を処分したい
  • 転職や転居ですぐに家を買い替えたい
  • 離婚や借金返済で資金が早急に必要である
  • 賃貸経営から撤退して、すぐに資金を回収したい
  • 事業資金や他の資産購入のために資金を素早く調達したい
  • 手持ち資金をスピーディに現金化して流動性を高めたい

売却物件の状態が気になる場合

売却物件の状態が気になる場合にも、不動産買取が向いています。瑕疵(かし)のある物件や老朽化した物件は一般的な販売が難しいですが、不動産買取では売れる可能性があるからです。

一般的な仲介物件として不動産を売却する場合は、最低限の清掃や片付け、修繕が必要です。しかし不動産買取では必要ありません。住みながらの売却でも内覧対応が不要で、時間も手間も低減できます。

不動産買取を依頼する際の注意点

不動産買取を依頼する際の注意点

不動産買取を検討する際は、どの不動産会社に依頼するかが非常に重要なポイントです。買取は不動産会社にとってリスクとなるため、市場価格より低く査定されます。適正価格で安心な取引を行うためにも、複数の不動産会社からの見積もりを比較検討して最適な業者を選択しましょう

不動産会社選びのポイント

不動産会社選びでは、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 実績があるか
  • 評判がよく信頼できるか
  • 対応が速く、柔軟性があるか
  • 的確なアドバイスやサポートがあるか
  • 丁寧な説明があるか
  • 地元の市場に精通しているか
  • 買取価格の査定基準が明確か
  • 手数料や追加コストがいくらか
  • アフターサービスが充実しているか

透明性のある査定基準で価格を示してもらえれば、納得して取引を進められます。予期しない追加費用の請求が発生しないよう、契約前に手数料などもしっかりとチェックしてください。査定内容や対応を比較して納得のいく選択をするためにも、複数社への査定依頼が欠かせません。
» 不動産屋の選び方完全ガイド

相談時に気を付けるべきこと

不動産会社に買取の相談をする際は、以下の点に注意することで、適切なアドバイスや対応が得られます。トラブル回避にも役立つでしょう。

  • 不動産の市場価格を事前に把握する
  • 買取価格の期待値を明確にする
  • 買取後のプロセスやスケジュールを確認する
  • 買取条件に隠れた費用がないか確認する
  • 不動産会社による査定基準や根拠を確認する
  • 税金や法的な影響について確認する
  • 緊急性の度合いを不動産会社に伝える
  • 物件の現状を正確に伝える
  • 不明点や疑問点は質問して解消する
  • 他社の査定も比較検討する

まとめ

まとめ

不動産買取は、仲介を通さず所有者から不動産会社に直接売却する方法です。迅速な売却や修繕費用の負担を抑えて売却を希望する場合に適しています。ただし、不動産買取は市場価格より低い価格になるため、買取額にこだわる場合は注意が必要です。メリットとデメリットを把握して選択しましょう。

不動産買取での失敗を防ぐためにも、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。不動産会社選びには、口コミや評判が参考になります。相談時には地元での実績があるか、買取価格の査定基準が明確か、適切なサポートやアドバイスが受けられるかも確認します。不明点や疑問点は契約前に質問して解消しましょう。

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