【不動産登記簿謄本とは?】取得方法から記載内容まで詳しく解説!

【不動産登記簿謄本とは?】取得方法から記載内容まで詳しく解説!

「不動産を買うときの登記簿謄本って何?」と登記簿謄本(とうきぼとうほん)について疑問に思う方は多いです。不動産を理解するためには、登記簿謄本の知識が必要です。

この記事では、登記簿謄本の基本、役割、取得方法を解説します。不動産の登記情報で押さえておきたい重要な点、登記情報の読み方や取得方法、必要になる場面について理解できます。

記事を読むことで、不動産取引をスムーズに進め、トラブルを避けることが可能です。

ダンディー
ダンディー

業務歴10年、宅地建物取引士である筆者が解説します。

不動産登記簿謄本とは

不動産登記簿謄本は、不動産の所有者や場所、大きさなどの詳細が記録されている公的な文書です。日本国内で不動産取引を行う際や権利関係を確認するために必要な重要な書類であり、法務局にて管理されています。

不動産の所有権移転や抵当権の設定など、不動産に関わる様々な登記の情報も反映されるため、法的な証拠としても利用されます。不動産を取り巻くさまざまなシーンでの確認が求められるため、内容を正確に理解し、適切に活用してください。

不動産登記簿謄本についての基礎知識は以下のとおりです。

  • 不動産登記簿謄本の役割
  • 不動産登記簿謄本と登記事項証明書の違い
  • 不動産登記簿謄本が必要になる場面

不動産登記簿謄本の役割

不動産登記簿謄本は、不動産取引において極めて重要です。不動産の所有者や面積、形状などの基本情報を正確に公示するために欠かせません。不動産の売買や贈与などの取引で、所有権の移転を法的に証明します。

チェックポイント

不動産に関連する抵当権や担保などの権利関係を詳細に示し、法的な紛争が発生した場合の重要な証拠資料となります。不動産の正確な評価を行う際の必要情報も提供されます。不動産登記簿謄本を活用し、安全かつ透明性のある不動産取引をしてください。

不動産登記簿謄本と登記事項証明書の違い

不動産登記簿謄本と登記事項証明書の違いは以下のとおりです。

不動産登記簿謄本
物件の位置や面積、所有者、所有権や抵当権などの物件の全情報を記載した公式文書です。不動産の購入や売却、相続時など不動産の全体像を把握するために欠かせません。
登記事項証明書
特定の登記情報のみを抜粋して記載します。抵当権などの特定の情報の確認だけに限定して使用され、ページ数が少なく、取得コストも低く抑えられます。

全ての登記情報が必要な場合は、不動産登記簿謄本を取得してください。特定の登記情報のみが必要な場合は登記事項証明書を選ぶことが効果的です。不動産取引や管理など、目的に応じて選択してください。

不動産登記簿謄本が必要になる場面

不動産登記簿謄本は、不動産の所有権や権利関係を証明する公的な文書です。法的なトラブルが発生した場合にも登記簿謄本が使われます。不動産に関連する多くの法的手続きや金融取引で、登記簿謄本は欠かせません。

具体的に必要になる場面は以下のとおりです。

  • 不動産の売買など所有権移転の登記を行う場合
  • 不動産のローンを申請する場合
  • 不動産を担保にして借入れる場合
  • 不動産の相続や贈与などの登記手続きをする場合

» 不動産の名義変更の流れ

不動産登記簿謄本の記載内容と見方

不動産登記簿謄本は「表題部」と「権利部」の項目で構成されます。情報を正確に理解することは、不動産取引の問題を未然に防ぐために必要です。

項目の詳細について以下を説明します。

  • 表題部
  • 権利部(甲区)
  • 権利部(乙区)
  • 土地と建物の違い

表題部

不動産登記簿謄本の表題部には、不動産に関する基本的な情報が記載されます。物件の所在地や地番、土地の利用状況を示す地目、土地の面積の記載を確認することが可能です。

建物が存在する場合は、建物の用途や構造、築年数を確認できます。所有者の名前や住所も表題部に記されており、物件の正確な情報を知るための重要な部分です。

地図情報や図面が含まれることもあり、不動産の位置や特徴を正確に把握するのに役立ちます。

権利部(甲区)

権利部(甲区)には、不動産の所有者に関する重要な情報が記載されています。主な記載内容は、物件を所有する個人や法人の名前と住所、所有権の取得方法と取得日です。

物件が売買された際や、相続などで所有権に変更がある場合に情報が更新されます。法人が所有者である場合、法人の名称や所在地、代表者の名前も記載され、所有者の確実な把握が可能です。

ダンディー
ダンディー

権利部(甲区)をみれば誰から誰に所有権が変更されたか一目でわかります。

権利部(乙区)

権利部(乙区)には物件に関わる担保権利が記録されています。抵当権や根抵当権、質権などの情報が記載され、金融機関など第三者からの担保条件を確認できます。物件の購入や利用の重要な判断材料です。

具体的に記載されている内容は以下のとおりです。

  • 権利を持つ者(抵当権者)
  • 権利の設定日
  • 権利の内容
  • 関連する金額

チェックポイント

権利部(乙区)をチェックし、物件がどんな担保権利に縛られているかを明確にしてください。物件の安全な取引や利用計画を立てる上で重要です。

土地と建物の違い

土地と建物は、不動産における基本的な要素であり、明確に異なる性質を持っています。登記簿では土地と建物が別々に記載され、それぞれ独自の登記情報が管理されています。

具体的には以下のとおりです。

土地
地面およびその下の空間のことを指します。移動はできませんが、所有権は基本的に永続的です。
建物
土地の上に建てられた構造物です。住宅やオフィス、商業施設などとして使われます。解体や移動が可能ですが、建物には寿命があり、メンテナンスや建て替えが必要です。

土地と建物の違いを知ることは、不動産を扱う際に非常に重要です。以上の基本的な知識は、不動産登記簿謄本の理解を深める上で役立ちます。

ダンディー
ダンディー

他人の土地を借りて、建物を建てる場合には「土地」と「建物」の所有者が異なります。

不動産登記簿謄本の取得方法

不動産登記簿謄本を取得する方法にはいくつかの選択肢があります。申請後の書類受取の期間については、方法によって大きく異なることに注意してください。緊急度などに合わせて取得方法を選択しましょう。

具体的な方法は以下のとおりです。

  • 法務局の窓口で申請する
  • 郵送で請求する
  • オンラインで閲覧する

法務局の窓口で申請する

法務局の窓口での申請は、最寄りの法務局または地方法務局で行えます。自分で即時に手続きできることがメリットです。申請には不動産の所在地、地番の情報、運転免許証やパスポートなどの身分証明書が必要です。

手数料は現金かクレジットカードで支払えます。申請後の受取は、即日から数日後になるので、具体的な日程については事前に法務局で確認してください。

郵送で請求する

郵送で請求する方法は、直接法務局に行くことが難しい場合に便利です。自宅やオフィスから必要な書類を送付し、登記簿謄本を受け取れます。外出する時間や交通費を節約でき、忙しい中でも手続きができます。

具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 必要な申請書を法務局のウェブサイトからダウンロードするか、郵便で取り寄せる
  2. 申請書に、物件の所在地や登記の種類など、必要な情報を正確に記入する
  3. 申請に必要な書類を準備し、添付する
  4. 手数料は、郵便為替や銀行振込で支払う
  5. 全ての書類と支払い証明を封筒に入れ、法務局の指定する住所に郵送する
  6. 法務局で書類が受理された後、登記簿謄本が郵送されてくる

申請には本人確認のための書類や、権利関係を証明する書類が必要です。郵送には時間がかかるため、急ぎで書類が必要な場合は他の方法を検討してください。

オンラインで閲覧する

インターネットで不動産登記情報の閲覧が可能です。法務局が提供する「不動産登記情報提供サービス」から利用できます。自宅や事務所から簡単にアクセスできます。

不動産登記情報提供サービス

リアルタイムで登記情報の確認が可能なサービスです。ユーザー登録とログインが必要です。サービスを利用するには、クレジットカードによる料金の支払いが求められます。

≫登記簿情報提供サービス

オンラインでの閲覧は即時に情報が得られますが、印刷版を請求する場合は郵送による時間がかかることに注意してください。

ダンディー
ダンディー

オンラインは、最初の利用前の手続きに1週間ほど時間がかかるので事前に準備しておきましょう。

登記簿謄本取得時の注意点

登記簿謄本の正確な情報を得るためには、取得する登記簿謄本の種類(表題部、権利部)を正確に指定してください。誤った情報を提供すると、不要な謄本を取得してしまうからです。

登記簿謄本を正確に指定し、以下の点に注意して取得しましょう。

  • 取得にかかる費用
  • 発行に要する期間
  • 支払い方法

取得にかかる費用

不動産登記簿謄本の取得費用は、取得方法によって異なります。

具体的に以下のとおりです。

法務局の窓口
窓口で直接取得する場合は、1通につき600円かかります。
郵送
手数料と郵送料を合わせて800円の手数料が必要です。
オンラインで閲覧し印刷する方法
ページ数に応じて1ページあたり300円です。

支払い方法は、現金、郵便局の為替、クレジットカードが利用できます。自分にとって最適な支払い方法を選べます。大量に謄本を取得する場合でも、割引が適用されることはありません。

発行に要する期間

不動産登記簿謄本の発行期間は申請方法によって大きく異なります。法務局の窓口で直接申請した場合、通常は即日から数日以内に謄本を受け取れます。郵送での申請では、申請から受取まで約1〜2週間が一般的です。

オンラインサービスを利用する場合は、登録と申請手続きを終えた直後にオンラインで謄本の閲覧が可能です。繁忙期や非業務時間に申請すると処理に時間がかかるので注意してください。

チェックポイント

災害やシステムトラブルなどの特別な事情が発生した場合には、発行に遅れが生じる可能性があります。計画的な申請が重要です。

支払い方法

不動産登記簿謄本を取得する際には、さまざまな支払い方法を選べます。自分の状況や利便性に応じて最適な方法を選択できます。

具体的な支払い方法は以下のとおりです。

  • 現金支払い
  • クレジットカード・デビットカード
  • 銀行振込
  • 郵便振替
  • 法務局のウェブサイトを利用した電子マネー決済

オンラインでの手続きを選択した場合、電子マネー決済の利用が可能です。決済方法の柔軟性が、登記簿謄本の取得をスムーズに進める手助けとなります。

登記簿謄本の活用シーン

登記簿謄本は、所有権やその他の権利関係を明確にする場面で重要な役割を果たします。法人であれば、土地の使用計画や開発許可の申請、企業資産としての管理と報告のために必要です。

個人が必要な場面は、具体的には以下が挙げられます。

  • 不動産売買時
  • 相続や贈与するとき
  • 住宅ローンの契約時

不動産売買時

不動産売買時には登記簿謄本が重要です。登記簿謄本を確認することで、物件の正確な所有者名義を確かめられます。登記簿謄本で物件の権利状況や抵当権の有無を確認してください。売買契約の正確性と信頼性が確保されます。

売り物件に抵当権が設定されている場合、抵当権を解除する手続きが必要です。登記簿謄本を事前にチェックすることで、売買過程でのトラブルを避けられます。双方にとって安心の取引が進められます。
» 不動産売却成功への近道!
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相続や贈与するとき

相続や贈与において、不動産の正式な所有権移転には、登記簿謄本が重要です。

具体的な理由は以下のとおりです。

  • 不動産の権利関係を明確にできる
  • 不動産の現所有者と権利関係の正確な所有者情報を確認できる
  • 贈与や相続によって不動産の所有権が移転する際、登記手続きをスムーズに行える
  • 新たな所有者が引き継ぐべき責任の有無が判断できる

登記簿謄本は、所有権の移転が正しく行われた証明になります。相続や贈与のプロセスをスムーズに進めるには、登記簿謄本の取得が不可欠です。

住宅ローンの契約時

住宅ローンを契約する際には、登記簿謄本の提出が求められます。物件の現在の所有者、抵当権の設定などの重要な権利関係を明らかにするために必要です。

ローン契約が完了した後、抵当権の設定を含む登記が変更されます。最新の登記簿謄本は、物件の権利関係が正確であることを証明できます。

まとめ

不動産登記簿謄本は、不動産の正確な情報を知るために重要な公的な書類です。不動産取引はもちろん、相続や贈与などの場面でも必要とされます。内容を理解し、適切に取得してください。

不動産登記簿謄本には、表題部と権利部があり、土地と建物の情報が記載されています。表題部と権利部の情報をもとに、不動産の所有権に関連する権利を明確にできます。

チェックポイント

取得方法には、法務局の窓口、郵送、オンラインの3種類です。費用や発行期間、支払い方法に注意が必要です。特別な事情が発生した場合には、発行に遅れが生じる可能性があります。計画的に申請してください

不動産登記簿謄本を適切に活用することで、安心して不動産取引を行えます。

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